あなたを一言でたとえると何ですか?〜young, alive, in love〜

 こんばんは。
 あまりに寒いので、20年もののエアコンにとうとうスイッチを入れてしまいました。湯たんぽも買ってきました。「ホットカーペットが良い」という話を聞いたのですが、どなたかオススメがありましたら教えて下さい。

***

 この時期に就職活動をしていないのでよく分かっていないのですが、今の時期は就職活動シーズンだそうで、私も学生さんのお話を聞いたり、相談を受けたりすることがあります。入社後は「中の人」ですから、時々、会社の姿を「外の人」を通じて見ることは、非常にいい機会で勉強にもなります。
 わが社のエントリーシートのフォーマットを久しぶりに見たら基本的な路線は私が書いた頃とあまり変わっていないものの、書く量が増えていて結構大変そうでした。先日、塾講師アルバイト時代の教え子に会う機会があったのですが「先生の会社、エントリーシートで落とされたんですけど!」と言われ、国語教師だったはずの自分の力量をいたく恥じました。(ちなみにその教え子はとても優秀な生徒でしたし、とても素敵な企業に就職の予定とのこと。おめでとう!これからの活躍をとても楽しみにしています。)

 「就職はお見合いみたいなもの」と某企業の部長さんが言っていたそうです。本当にその通りだと思います。企業であれ学生さんであれ、どちらか一方が「好き好き好きー!大好きー!」と叫んでも、なかなかうまくいかないものだったりします。
 4月になれば、わが社も新入社員が入社して、来年の新入社員を探す面接がスタートしますが、新入社員が来る前は、社内がソワソワ、ワクワクしています。「どんな人かなー!」「◯◯さんが面接したらしいよ!」「へぇ!楽しみだな!」なんて言いながら、皆で色々準備したりして心から待ち望んでいます。(子供が生まれてくるのを待つ家族ってこんな気分なのでしょうか。)

 今日は、私がわが社に提出したエントリーシートと選考過程にまつわる実話です。(早くはてなブログも分類ができるようにならないでしょうか。フィクションと実話がエントリーで混ざってしまう…)「若気の至り」としか言いようがありません。就職活動中のよい子の皆さんはマネなんて絶対しないと思いますが、これから就職活動する皆さんが持っている力を充分に発揮して一緒に働く素敵な先輩と仲間たちが見つかることを願って。

***

 当時、わが社のエントリーシートには、最後の設問として、次のような問いがあり、5行ほどの記入欄が用意されていました。

 「あなたを一言でたとえると何ですか?(例)私は◯◯な人です。」

 私は、困りました。

 ("一言"と書いてあるのに、何でこんなに書くスペースがあるのだろう?一言っていったら一言じゃないの?新入社員が上の人に「一言で」と言われるようなシーンは、実はあまりいい状況じゃないだろうけど、上の人が一言って言うんだから一言だよね?)

 当時郵送だったエントリーシートが提出期限に間に合わず、〆切当日の夕方に送付先に持参したくらい、考えました。

***

 私はエントリーシート選考を通過しました。
 悩んだ甲斐があったというものです。 

 私は春のいわゆる就職活動のシーズンではなく、夏採用?秋採用?と呼ばれる時期に受けていました。(今もこの時期に募集しているのかは知りません。)そのときはグループディスカッションがありました。私が参加した会は、10人強の学生さんと私でした。お題に基づくプランを作る、そんな感じだった記憶があります。

 「学生さんと私」と書いたのは、当時、私は既に大学を卒業していたからです。当時は「大学卒業見込」でないとエントリーすらできない企業が多く、新聞社やごく一部の企業に限られていました。「既卒」とか「第二新卒」などという美しい言葉ができた頃でしたが、要は「プータロー」なのでリクナビに素直にありのままを登録すると「あなたはこちらですよ」とリクナビnextに飛ばしてくれるような おせっかいな 親切な時代でした。
 わが社は、特に「既卒不可」と書いてなかったので受けたのですが、内定時に「あら、卒業しているの?え?すぐにでも働きたい?お金に困っているのならそれでもいいけど、同期がいた方がいいよ絶対。4月でいいよね?」と言われたくらい、おおらかでした。入社後に分かったことですが「僕は大学に7年いたよ」「俺は8年だ!」「うっ…(負けた)」などと自慢しあっている人たちが結構いて(それなりの役職の人でもそういう人がいる)、私なんてかわいいものだったのです。

***

 プータローは早く社会人になって、経済的に親から自立したいと思っていました。プータローは、あまり体調が優れなかった時期もあり、アルバイトの生活に不安を感じていました。プータローは当時、免許証を持っていなかったので採用試験を受けに行くときにはパスポートを提示したのですが、いちいち説明を要するのは入国審査みたいだなと思っていました。

 プータローは、グループディスカッションを通過しなければと思いました。
 すると、

 (ここにいる人たち、全部落としたら入れるよ!)

 という「ささやき」が聞こえたのです。
 
 私が、その場を焼き尽くすかのように動いたのは言うまでもありません。議長をやり、自分で出した案をベースにプランを練り、時間の延長までもらって、プランを仕上げ、プレゼンまでやりました。
 
***

 入社後しばらくして、グループディスカッションの選考にも加わっていた人事部の先輩や同期と飲む機会がありました。そこで先輩がこんなことを言い出したのです。

 「そういえば、あのエントリーシートの欄!あんずだよね!」
 「???」
 「えーっと、ほら、なんだっけ、一言しか書かなかったでしょ!?」

 エントリーシートを書いて1年以上経っていたし、何を書いたかなんてすっかり忘れていました。

 「えっ?一言って書いてありましたよね?何でこんなに書く欄が広いのかって、悩んだんですよ。」
 「理由を書く欄なんだけどさ!!」
 「………。」
 「みんなで『なんだこれ!!』ってなったんだよ。でも、グループディスカッション見て、『的を射てる!その通り!合ってる!あははははは!』って話になったんだよね。あのグループディスカッションは君の時間になってしまったからなぁ。」

***

 入社して数年経ち、採用選考のお手伝いとして面接を担当をしたときには、エントリーシートにまだこの設問は残っていたのですが、「理由も書いて下さい。」との指示が明文化されていましたし、現在はこのような設問はないようです。

 しかし、不幸なことに、 グループディスカッションで同じグループだった1人が会社の同期になりました。(当時の私の計画は失敗に終わっていたのです。)今では仲のいい同期で、彼が広島に赴任していた頃はコンサートを観に広島まで行くとなれば彼に連絡して、彼と一緒に働く会社の先輩&後輩に飲みに連れていってもらったりしました。でも、そこでも彼は言うのです。

 「聞いて下さいよ。グループディスカッションのときのコイツは本当に最低だったんです。全部、全部持ってくんですよ。で、こっちが話そうとすると、全部むこうからこっちに振ってくるし、タイミングすらすべて奪って、全部持ってっちゃうんですよ。しかも、コイツのせいでみんな落とされちゃったのに、グループディスカッションが終わった後、メンバーのみんながコイツに話しかけて情報交換しようとか言ってるわけ!!」

***

 「あなたを一言でたとえる何ですか。」

 私は、この曲のカタカナ5文字部分を書きました。
 皆さんなら、何と書きますか?

"恋とマシンガン 〜Young, Alive, In Love〜" Flipper's Guitar

 

 

Young, Alive, in Love / 恋とマシンガン

Young, Alive, in Love / 恋とマシンガン